農業と環境問題 


  オゾン層破壊、温暖化、酸性雨、砂漠化、熱帯雨林の消失など地球規模の環境破壊が問題となっている中で、農業もまた環境を破壊する大きな原因になっています。
 地球規模で見てみると、乾燥地では、水を引いて生産性を上げようとする灌漑農業が大規模に行われていますが、そこでは塩害に悩まされ、世界中で約2億ヘクタールに及ぶ灌漑農地のうち、
20万〜30万ヘクタールが毎年耕作不可能になっています。また、南北アメリカにみられる大規模な畑作地帯でも、ここでは近年輪作体系が崩れ、単作連作が増えています。この結果作物のない期間が増えて土壌浸食が激しくなってきました。こうした塩害や土壌浸食は砂漠化の主な原因になっています。
 また、ヨーロッパなどの先進国では、多量の肥料を施用して、高い収量を上げています。ここでは厩肥や化学肥料の窒素が硝酸となって水と共に移動して、一部は作物に吸われますが、残りは河川、湖沼、地下水を汚染する原因となっています。
 では、日本ではどうでしょうか。日本の化学肥料農薬使用量は単位面積当たりでは世界のトップクラスと言われています。
水田でも玄米収量当たりの化学肥料を比較すると、日本はタイの600倍以上、カルフォルニアの7倍です。過剰にまかれた化学肥料は稲に吸収されない分、垂れ流しになり河川の窒素濃度を高め、飲み水にする場合、それを浄化するには莫大な経費と設備が掛かってしまいます。
 ですから、農業というのは、ただ単に私たちが食べる野菜や穀物などを生産することだけでなく、まわりの自然環境にも大きく影響することがわかります。そういうことが最近になってようやくメディアや研究者の間などでよく言われるようになってきました。なかでも、今水田の役割というのが、注目を集めつつあります。



 もっと知りたい方へ 
 『水田のはたらき』関矢信一郎著 家の光協会 1992年を参考にし一部抜粋をしています。
 『安全でおいしい 有機米づくり』松修 中島紀一 河児晶子 家の光協会 1993年参考

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